錦織圭やはり問われる「チーム体制」万年8強止まりの元凶
ナダルがコーチを代えなかったのは、特殊な環境ゆえ。叔父のトニー・ナダルは元テニス選手でコーチ、もうひとりの叔父のミゲル・アンヘル・ナダルは元スペイン代表のサッカー選手でプロの世界を熟知していた。父親はヤリ手の建築会社経営者。マジョルカ島のマナコルにあるナダルの実家には、夕方になると一族や近所の人たちが集まってきてバーベキューをやる。ナダルもそこで一緒に飲み食いしていたという。いわば一族、町を挙げてのチーム体制だけに代えようがないのだ。
■コーチは「フレッシュでいるための存在」
そこへいくと錦織は2014年からマイケル・チャンをコーチに迎え、今年で6年目。現在も帯同するダンテ・ボッチーニは実にIMGアカデミー時代からのコーチだ。
チャンはサンプラスやアガシらがいた黄金時代の選手で、体格も劣っていたためストイックな猛練習でトップを維持、全仏も制している。
練習の重要性をたたき込まれた錦織は、チャン就任1年目にいきなりマスターズ1000のマドリードオープンと全米で準優勝したが、その後、成績は頭打ちに。コンスタントに上位に進出するものの、勝ち切れない状況が続いている。