著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

“国境なき選手団”がゆえ…東京五輪400mリレーが抱える難題

公開日: 更新日:

 問題は日本記録9秒97を持つエース、サニブラウンの起用だ。弱冠20歳は2016年に渡米してフロリダ大学で研鑽して10秒を突破、今も在学中である。アンダーハンドパスの世界から遠い“個”の世界で戦う選手になり、リレー合宿をやるから来いとは言えない場所にいる。ただ、あの爆発力は悲願の金メダル獲得には不可欠だ。

 陸連の構想はアンカー起用だろう。スタートにやや難があり、パスは1度だけで済み、最後のスピードの伸びは抜群――前回の世界選手権では起用していないが、9月に開かれる世界選手権の最大の関心は陸連とサニブラウンの決断になる。

 “国境なき選手団”は世界選手権やオリンピックのために日々研鑽しているわけではない。そのことへの敬意なしに「東京オリンピックは?」と尋ねる無神経は改める機会だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…