ラグビーW杯悲願の8強 日本が打ち破った伝統国の“差別”
■映像判定TMOはNZと南アの人間
しかし、世界の壁を乗り越えることは、決して容易ではなかった。
スコットランドは、最後まで諦めることなく、激しく抵抗を続けた。
レフェリングにも試合前から、懸念があった。
なにしろレフェリーや映像判定を受け持つTMOが、日本が2位通過した場合に対戦するニュージーランドと、南アフリカの人間だったのだ。これでは完全な中立とは言いがたい。
しかもTMOには、フランスやフィジーのトライを、いくつも「幻」にした“前歴”がある。
伝統国のスコットランドをベスト8に残す――実際、試合ではそんな“見えざる手”も働いたように見えた。今大会で連発されたカードが、この試合では一枚も出なかったのだ。
出すべき場面が皆無だったわけではない。
前半29分には、ボールを持った堀江翔太の顔面にスコットランドのジョニー・グレイが頭からタックルをかます。しかも、腕が首にかかり、イエローカードの要件を満たしていた。しかし、TMOで下された判定は「グッドタックル」で、反則にすらならなかった。