阪神は実に53年ぶり ドラフト上位5人「高校生指名」の狙い
「彼らがチームの中心になっていく時代を想像するとワクワクする」
阪神の矢野監督が興奮冷めやらないといった表情でこう言った。
クジで外した奥川も含め、外れ1位の西から2位の井上広大外野手(履正社)、3位の及川雅貴投手(横浜)、4位の遠藤成内野手(東海大相模)、5位の藤田健斗捕手(中京学院大中京)はすべて高校生。
■江夏ら以来
阪神のドラフト上位5人が高校生だったのは1966年の江夏ら以来、実に53年ぶり。しかも5人全員が高校時代、本拠地の甲子園球場を沸かせた選手だけに「ファンの好きそうな選手たちが取れた」とは矢野監督だ。
昨年までの6年間、阪神の1位指名は大学生か社会人。即戦力ながら目玉選手を避け、どちらかといえば小粒な選手の指名が多かった。阪神は人気球団。常に勝利を求められているだけに、手っ取り早く戦力になる選手を指名せざるを得なかったらしいが、それでも14年間、優勝から遠ざかっている。ならば多少、時間はかかっても、素質も知名度もある甲子園のスターを一人前にしようと育成に舵を切ったようなのだ。