来季は外国人8人体制 二兎追う虎に“第2の村上”育成はムリ
契約最終年を迎える糸井は故障が多く、福留もフルシーズンの出場は無理。マルテ、ボーア、サンズというパワー系打者を3人も揃えたのは、井上、遠藤が育つまでの「時間稼ぎ」という見方も一部にはあるが、コーチ経験を持つOBがこう言う。
「ヤクルトの村上宗隆は今季、高卒2年目で36本、96打点の好成績をあげた。ヤクルトは村上育成のため、下手な守備に目をつむり、全143試合に起用した。かつて阪神も高卒の掛布が球界を代表するスラッガー(本塁打王3回、打点王1回)になった。1年目から83試合、2年目106試合、3年目122試合と、ずっと一軍で起用されていた。目先の勝利にとらわれる今の阪神に同じことはできない。甲子園は阪神の監督や選手にも容赦ないヤジが飛んでくるという事情があるにせよ、大山を4番で育てたい矢野監督も我慢できなかった」
セのライバル球団を見ると、巨人岡本、広島鈴木、ヤクルト山田、村上。DeNAもメジャー移籍した筒香が中心選手だった。中日は7月に右手をケガした高橋周平が開花しかけた。
矢野監督は金本前監督の掲げた「育てながら勝つ」という方針は継続している。しかし、この球団に二兎を追うのは無理である。