ゴルフクラブはあっという間に凶器に変貌する
一昔前は、ゴルフデビューする時に「人のいる所でクラブを振るな!」と先輩ゴルファーから口酸っぱく頭に叩き込まれたものだ。だが、ゴルファーのマナー意識が低下し、プレー料金が安くなってゴルフ場のハードルが低くなった現在は、マナーをきちんと教えてくれる先輩がいなくても手軽にゴルフができるようになった。それが事件、事故を増加させている。
人にケガをさせて、「そんなマナーは知らなかった」という言い訳は裁判所では通用しない。
素振りによる事故が多発するのはスタートの1番ホール、10番のティーイングエリア周辺だ。プロゴルファーと違って、エンジョイゴルファーの場合、スタート前に念入りな準備運動をしない。ウオーミングアップ代わりにブンブンとドライバーを振り回しているからだ。
この“素振り事故”は加害者の免責がほとんどされない。不注意で加害者になるとゴルファー保険ではまかなえず、高額補償金を支払うことになる。
初心者は「人のいる所で素振りをしない」を肝に銘じること。楽しいはずのゴルフが一転、不幸のどん底へ……。そうならないために、ゴルファーには細心の注意が必要なのだ。
(ゴルフジャーナリスト・色川わたる)