センバツ中止の強豪高監督3人に聞く 夏への不安と進路問題
PVで進路支援
【仙台育英(宮城県)・須江航監督(37歳)】
昨夏ベスト8の仙台育英は4月13日から5月10日まで休校となり、寮生はそれぞれの実家へ帰省。学内での自主練習も一時休止している。同校の須江監督はSNSやビデオ会議サービスの「Zoom」などを使い、生徒に課題を提示したり、情報共有を図っている。
監督にとって生徒の進路は重要な問題だ。先日も、Zoomを通じて選手、保護者と三者面談を行った須江監督が言う。
「野球でプロや大学、社会人を目指す生徒たちはアピールをする場がない。夏の大会開催も不透明な中で、どの道に進めばいいのか、決め切れない生徒もいる。進路先の方々には、できるだけ早い段階で受験資格、基準を示していただけたら、というのが正直な気持ちです」
須江監督はそんな生徒の一助になればと、スポーツ推薦での大学進学を希望する30人弱の生徒について、練習の姿や過去の試合映像を最長1分程度にまとめた「プロモーションビデオ」を作成。各大学の野球部にプレゼンしている。
ただ、プロ志望の生徒の場合はプロアマ規定もあり、なかなかアピールすることが難しい。
「スカウトさんが練習視察をできない中、ちゃんと見ていてくれているのかという不安はあるはずです。スカウトさんから今後の予定などについての連絡が来れば、ああ気にかけてくれているんだと思ったり。まして今年は、プロ野球の開催がなくなれば、戦力外になる選手がいつもより少なくなるかもしれない。そうなるとドラフトの指名人数も減り、プロ入りがかなわない選手が出てくる可能性も想定しておかなければ、と思っています」
名門校の監督はたいへんだ。