センバツ中止の強豪高監督3人に聞く 夏への不安と進路問題

公開日: 更新日:

3年生が一番心配

【花咲徳栄(埼玉県)・岩井隆監督(50歳)】

 2017年夏に全国制覇した花咲徳栄は4月7日の緊急事態宣言を受けて学校は休校中。寮生やその保護者と話し合った上で寮に残った部員30~40人については、コロナ対策を行い、あくまで学校内の施設に限定した上で自主練習を継続している。

 岩井監督は今の心境をこう語る。

「私自身のことより、生徒のモチベーションを保つのが大変。一番心配なのは3年生ですね。センバツは出場回数としてカウントされ、生徒たちは出場したことになりました。一方で、生徒はいろんな経験をすることで育つと思っている。ひと冬越して伸びてきた子がいたので、センバツでその成果を発揮できなかったのは残念な部分はあります。生徒にはそれぞれ、野球を通じて夢や目標がある。練習試合や大会を通じて目標がクリアできれば達成感を得て、自信につながる。失敗を通じて課題も見つかる。ただ、今はその機会もない。こういう時だからこそ、今まで不自由なく野球がやれたことに感謝したり、今の経験が人生のプラスになる、と考えられるようになってくれたらと思っています」

 進路についてはどうか。

「生徒も先が見えないケースもあり、なかなか面談を進められないのが現状です。甲子園や公式戦の成績は大学への推薦基準になるが、今は野球界全体が動けていない。大学の推薦入試やAO入試は、評価対象になる大会がなくなれば、成績をつけられないかもしれず、選考の動きが遅くなったり、選考時期がズレたりするかもしれません」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…