プロ野球「6.19開幕」に3つの根拠 カネと影響力で思惑交錯
夏の甲子園開催の担保
プロ野球の開幕は夏の甲子園の開催にも、大きく影響しそうだ。
主催者である日本高野連は、5月20日に予定されている運営委員会で夏季大会と甲子園大会の開催可否について議論を行い、方向性を示す方針だ。
夏季大会については全国に先駆けて沖縄が6月20日開幕の日程を組んでいる。だが、緊急事態宣言の延長により全国の学校の休校期間も延長され、大半の学校が部活動を自粛。高体連が主催する夏の全国総体(インターハイ)も取りやめになるなど、中止への外堀は埋められつつある。高野連関係者が言う。
「高野連や高校野球の指導者はプロ野球の動向を注視しています。センバツの中止を巡ってはプロ野球、Jリーグのコロナ対策会議にオブザーバーとして出席、対策を立てたものの、プロ野球に開幕のメドが立たず、世間の活動自粛を求める同調圧力にあらがえなかった側面もある。12日のプロ野球オーナー会議でプロ野球の開幕日が決まらなければ、高校野球が先陣を切らなきゃならない。けれども、プロ野球が6月19日の開幕を決断すれば、沖縄での夏季大会を含め、その流れに乗っていくこともできます。これは大学や社会人、地方の独立リーグも同じ思いでしょう」
プロ野球界にとっても夏の甲子園開催のメリットは大きい。高校野球は今年、センバツや春季大会が中止となり、今秋ドラフトに向けた選手評価の機会が全くない。夏季大会と夏の甲子園だけは何が何でもやってもらいたいのが本音だ。プロ野球の早期開幕への思惑は、さまざまな部分で交錯しているのである。