「緊急事態宣言」継続・解除で生じるプロ12球団の練習格差

公開日: 更新日:

「このままだと地域格差が生まれますよ」

 球界OBが12球団の練習環境について、こう言っている。

 4月に段階的に緊急事態宣言が発令されたことで、12球団は全体練習を一時休止し、自主練習を行っている。唯一、球場施設を閉鎖していた楽天も5月8日から施設使用を解禁。40日ぶりにグラウンドで練習した浅村は「気持ちいい」と笑顔で話した。ただ、緊急事態宣言下での全体練習の自粛はあくまで暗黙の了解であり、12球団による統一ルールは存在しない。前出のOBが続ける。

「政府は5月31日まで宣言の期間を延長したが、感染状況などを考慮し、地域ごとに宣言を解除する方針。しかし、東京を筆頭に感染者が依然として多い都道府県はさらに期間が延長される可能性もある。感染者が多い都市に本拠地を置く球団とそうでない球団で、練習環境に有利不利が生じかねない。練習方針は各球団に委ねられ、12球団の一体感に欠ける中、まずは全体練習の解禁について、統一ルールを設定するべきです」

 実際、緊急事態宣言が出ていなかった3月から4月上旬にかけて、12球団の練習方針はまばらで、活動自粛の幅には大小があった。3月末に藤浪ら3選手がコロナに感染して全体練習を中止したのは当然としても、ロッテが4月15日から26日まで活動を完全に休止した一方で、広島は緊急事態宣言の対象地域が全国に拡大された4月16日まで、全体練習を行っていた。12球団が自主練習に移行したのは翌17日から。今は国の方針が“重し”になっているが、それがなくなれば再び、球団の動きがバラける可能性もある。

 複数の球団からは、全体練習再開について12球団で歩調を合わせるべきとの声が出ている。最短で6月19日に設定されている開幕日との兼ね合いもある。5月11日には12球団代表者会議が行われ、翌12日には臨時オーナー会議が開かれる予定。12球団はきちんとまとまることができるのか。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…