マー君やダルは75%減の6億円に…MLB年俸労使対決の行方
1994年8月から翌95年4月まで、メジャーリーグの232日間のストライキは「カネ持ちのケンカ」とファンをアキレさせた。
25年前の悪夢は繰り返されるのか。大リーグ機構(MLB)が提示した年俸削減案に、選手会側は怒り心頭だ。年俸が高い選手ほど減俸分が大きいこの案によれば、年俸25億円の田中(ヤンキース)や24億円のダルビッシュ(カブス)の年俸は6億円程度になる。7月4日開幕を目指すメジャーに暗雲と、米メディアも騒いでいる。
「今季の年俸を試合数に応じた日割りにするという案で機構、オーナー側と選手会側は一度は、合意していました。ところが、機構、オーナー側が球団の収益を折半にすると言い出した。減収になるうえ、いったん握手した約束事を反故にするのは許せないと選手会側は怒っているのです」と、野球文化学会会長で名城大准教授の鈴村裕輔氏はこう言った。
「機構、オーナー側が提示した球団の収益を折半する案は、選手の年俸に上限を設ける実質的なサラリーキャップ制です。94~95年のストライキでも、選手会側はそれだけは譲れないとかたくなに拒んできた。コロナだからと認めてしまえば、なし崩し的にこれまで守り続けてきた選手の権利を失いかねない。そういう背景もあって、選手会側は反対しているのです」