ロッテ和田 6人きょうだいの四男「光速王子」の野生児時代
和田康士朗(ロッテ 外野手3年目・21歳)
「光速王子」として女性ファンが急増中だ。
育成選手として入団して3年目の今季。6月に念願の支配下選手に“昇格”すると、6月19日の開幕戦でさっそく自慢の快足を見せつけた。1点ビハインドで迎えたソフトバンク戦の九回無死。代走で登場するや、2死後のプレッシャーのかかる場面で迷うことなくスタートを切った。球界一と称される甲斐の強肩をかいくぐり、スチール成功。2死一、二塁と好機を広げ、中村の中前打で二塁から一気に同点のホームを踏んだ。
以降、主に試合終盤の代走として次々に盗塁を決め、ついた異名が「光速王子」。初めてスタメンに名を連ねた今月16日の日本ハム戦では3安打3盗塁3得点と獅子奮迅の大活躍を見せ、“一芸”だけではないことを証明してみせた。
高校時代に野球部ではなく陸上部に所属した変わり種は、母・美雪さんとその実家の家業である水道工事会社を引き継いだ父・守雄さんとの間に、6人きょうだいの4番目として生まれ育った。
「おとなしい子でしたが、子供の頃は3番目の兄に連れられて、よく外で遊んでいました。ウチの家族はみんな運動神経がいい方ですが、康士朗は別格だった。家の裏の雑木林で、木にロープを結んでターザンごっこをして遊んでいましたが、飛び方ひとつを見ても、人とは違うなと驚いたことを覚えています」