ダル“タイトル総なめ”なら…今季稼ぎは田中将超え10億円超
カブス・ダルビッシュ有(34)が、投手のタイトルを総なめにするかもしれない。
9日(日本時間10日)のレッズ戦は立ち上がりに3ランを浴び、6回を2安打3失点3四球9奪三振。自己最長の8試合連続クオリティースタート(QS=6回を3自責点以内)の好投ながら、打線の援護に恵まれず2敗目(7勝)を喫した。
ここまで9試合に登板して勝ち星、奪三振数(72)ともナ・リーグトップ。防御率1・77はメッツ・デグロム(1・69)、レッズ・バウアー(1・74)に次いで3位につけており、2011年のタイガース・バーランダー(現アストロズ)とドジャース・カーショーが達成して以来、史上40人目の投手三冠に手が届きそうだ。11年はバーランダー、カーショーともサイ・ヤング賞を受賞しており、ダルも日本人投手初の栄誉を手にするのは夢ではない。
ダルは13年に最多奪三振(277)のタイトルを獲得し、同年のサイ・ヤング賞の最終候補3人に残った。右肘にメスを入れてから5年が経ち、ようやく本領発揮である。
「心技体全てのバランスが整っているのが今季のパフォーマンスにつながっている」と、JスポーツMLB中継で解説を務める評論家の三井浩二氏がこう続ける。
「昨季終盤の好調(13試合で4勝4敗、防御率2・76)をキープしただけでなく、今季は新球ナックルカーブもマスターして投球の幅が広がりました。7月のオープン戦から今季初戦までは、投げた後に体が一塁側に傾くなど、バランスは悪く投球フォームもバラバラだったが、登板を重ねるごとに安定してきた。無駄な四球(11四球)は少なく、相手を手玉に取れるようになった。さらに自信を持って腕が振れているのでしょう。これまで肩、肘、首回りなどの痛みに悩まされてきたが、今季の投球を見る限り、体調も万全ではないか。今季、ナ・リーグ中地区には不調の打者が少なくないこともあり、投手三冠、サイ・ヤング賞も狙えると思います」