ロッテの2005年完全制覇 すべては前年の4位から始まった
2005年はロッテが31年ぶりのリーグ優勝、そして日本一を達成した年です。この年はさらに、始まったばかりの交流戦優勝、オフのアジアシリーズでは初代王者、オマケにファームも日本一達成で、シーズン5冠というのだから驚きです。
勝利の要因としては就任2年目だったボビー・バレンタイン監督(70)の「ボビーマジック」がよく挙げられます。日本球界の常識にとらわれない選手起用などは、この連載でも書きました。ボビーの選手操縦術は確かに卓越していましたが、シーズン2位から優勝まで上り詰めた最大の要因は、前年の悔しさです。
■0・5ゲーム差の明暗
04年はプレーオフ(現CS)が導入された年。それまで短期決戦といえば日本シリーズしかなかったので、ナインはどうなるのか興味津々。しかし、ロッテは3位日本ハムと0・5ゲーム差の4位でプレーオフを逃しました。そしてこのわずかな差が、とてつもなく大きいことを思い知ることになるのです。
テレビで見るプレーオフはまさに圧巻でした。初めて目の当たりにするパ・リーグ球団同士の短期決戦は驚きの連続。これまでにない戦い方、選手起用……。1勝をもぎとるために奮闘するライバル球団の選手たちに、思わず魅了されたほどです。