スケートボード西村詞音 大ケガ克服し妹と共に五輪目指す
現地生活ではジグソーパズルに没頭
再手術をした頃から、日本とアメリカの往復生活を送っている。カリフォルニア州のハンティントンビーチ付近に3カ月ほど滞在し、ビザの都合で一時帰国して、再び米国へ。海を渡るのは姉の紗奈さんと碧莉さんも一緒だ。
「姉は1年間ニュージーランドでワーキングホリデーをしていたので英語が得意です。私と碧莉だけじゃ不安ですし、姉は英語の勉強をしたかったみたい。だから3人一緒です。姉にいろいろ任せてしまうので、ほとんど英語は使いませんね(笑い)」
現地の生活では練習の傍ら、ひとり黙々とジグソーパズルに打ち込んでいたそうだ。
「だいたい15~20ドルの1000ピースのパズルを買っています。多い月で2週間に1箱買いますよ。スケボーも含めて、私は長時間集中するのが苦手なんですけど、なぜかパズルだけはできるんですよ。4時間はぶっ通しです。作り終わったらですか? 飾っていたらきりがないので崩して箱にしまっちゃいます。何カ月か間を置いて、2周目をすることもありますよ」
日米の往復生活はコロナ禍によって終止符が打たれ、現在は東京都江戸川区の実家に戻っている。
東京五輪の1年間延期で得た期間を、「プラスにも考えていますが、重圧が続くのは苦しい」と語る西村。日本代表になるためには世界ランキング20位以内、かつ、日本人の中で3位以内に入らなくてはいけない。現在、世界ランキングで西村の上には6人の日本人選手がいる。
「(出場は)そんなに甘くはないと思いますが、碧莉と一緒に出られたら……。頑張ります」
姉と共に出場すれば、妹も心強いはずだ。
▽にしむら・ことね 1998年11月29日、東京都江戸川区生まれ。10歳で競技を始め、中学3年時に全日本スケートボード選手権で優勝。昨年は「Damn AM Los Angeles Women's Street」で準優勝に輝いた。