大阪国際女子PM務めた川内優輝の主張に元陸連幹部が猛反論
■「一山の走りは立派だったが…」
「そもそも私は周回コースや設定タイム通りに走るPMには反対だ。国際陸連(現世界陸連)やAIMSの会議でも、そう主張してきた。東京五輪のマラソン(札幌)も周回コースで、今では海外、国内の主要大会でもPMが起用されるようになってしまったのは残念でならない。周回コースはマラトンの戦いに由来するマラソンの故事来歴に反する。他人の力を借りて走るのもマラソンとはいえない。川内が周回コースの女子大会で、ゴール直前までPMになっても、記録を狙うためだけのレースなら文句はない。コロナ禍で練習不足だったであろう一山の大会記録を更新する走りも立派だった。しかし、このレースは『42.195キロ記録会』ではない。大会名称はマラソンだ。話題づくりのため、平坦な公園内の周回コースで日本記録を狙わせるのが主催者の狙いなら、マラソンという名称は使うべきではない」
国内でPMの起用が公になったのは2003年の福岡国際マラソンからだ。それ以前の「PM」は選手用のゼッケンをつけて走っていた。主催者が選手のフリをさせていたのは、それが助力になることがわかっていたからだろう。
ちなみに、時計より順位がすべてのオリンピックと世界選手権のマラソンには今でもPMはいない。