巨人の対抗馬は阪神ではなく広島 “新戦力”で問題点が解決
キャンプ視察を終えたセ・リーグ某球団のスコアラーに聞いた。
「優勝候補? 大穴と言ったら失礼だけど、要警戒は広島ですね」
戦力的には巨人が圧倒的だ。FAで梶谷、井納を加え、エースの菅野も残留。少なくともセでは投打にずぬけている。その巨人を追うのは投手力が充実する阪神で、なんとかチャンスがあるのは中日、DeNAまで――というのが多くの評論家の見立てだが、冒頭のスコアラーはこう続ける。
「広島の問題は一にも二にも投手力、それもリリーフ陣。昨年の救援陣の防御率はリーグワーストの4・64で、逆転負けが一昨年は32回、昨年も20回あった。リリーフの勝ちパターンが構築できなかったという最大の問題点が今年、一気に解決しそうなのです」
■新戦力の当たり年
ライバル球団にそう言わしめるのが、ドラフト1位右腕の栗林良吏(24=トヨタ自動車)、2位左腕の森浦大輔(22=天理大)、3位右腕の大道温貴(22=八戸学院大)の新人3投手である。いずれも初のキャンプを完走した3人は、ともに対外試合3試合で3イニングずつを投げて無失点。地元放送局関係者によれば、「打たれた安打も森浦の内野安打1本だけと完璧な内容で、栗林と大道に関しては佐々岡監督が『ストッパーの座を争わせる』とまで言っている。いずれにしろ、新人3人で勝利の方程式をつくる異例の構想を練っている」のだという。