新人王最右翼の楽天・早川 恩師が語る“ダメ元”からの奇運
ひとつ歯車が違えばプロのマウンドに立っていなかったかもしれない。
25日の西武戦で6回3失点と好投し、ハーラートップタイの3勝(2敗)を手にした楽天のドラ1ルーキー早川隆久(22=早大)。新人王候補の最右翼としても注目が集まっている。
早大で大活躍し、ドラフトでは楽天を含めた4球団が競合した左腕だが、高校入学時はここまでの投手になるとは誰も想像できなかった。
母校・木更津総合の五島卓道監督が言う。
「実は早川は僕が勧誘した選手じゃないんです。千葉県生まれの軟式野球出身で、彼のおじさんが僕の教え子。その縁でウチに来てくれたのかもしれません。ぜひウチに、という選手ではなかったので、正直当初はさほど期待はしていなかったんです」
しかし、入学早々に最初の転機が訪れる。
「早川が1年時の2014年は千葉県内に好左腕が多かったんです。彼らを攻略すべく、チーム内から制球のいい左腕を選んで、打撃投手をさせた。最初は上級生が投げていたんですが、毎日だと疲労もありますからね。そこで早川を代役で投げさせたところ、ウチのクリーンアップがバットにすら当たらない。3番打者の猿田に『監督、あの早川って1年いいですよ』と言われましたが、それでも半信半疑。むしろ『相手は1年生だろ? しっかりしろよ』という感じでした(苦笑い)」(五島監督)