女子レスリング須崎優衣 世界女王は東京五輪金へ死角なし
須崎優衣(女子レスリング50キロ級・21歳)
日本のお家芸にまたひとり、金メダル候補が加わった。
須崎は4月の東京五輪アジア予選(カザフスタン・アルマトイ)で女子50キロ級を制し、日本協会が定めた選考基準を満たし、初の代表入りが内定した。
日本オリンピック委員会が有望選手を集めて強化を図るJOCエリートアカデミー出身。幼少の頃から頭角を現し、安部学院高2年で全日本選抜選手権を制覇。初めて出場した翌2017年の世界選手権(パリ)では頂点に立った。高校生が世界女王になるのは02年ギリシャ大会での伊調馨(中京女子大付高=当時)以来の快挙だった。早大進学後は左肘靱帯断裂など度重なる故障に苦しんだが、19年12月の全日本選手権でライバルの入江ゆきを決勝で下して五輪アジア予選の出場権を勝ち取った。
「休まずに攻撃を仕掛け続けられるのが須崎の強みです。相手に反撃されても引かず、常に押し込んでいくスタイルで真っ向勝負もできる。高校生で世界チャンピオンになった頃は、まだ線の細さは否めませんでしたが、大学進学後は海外勢と比べても見劣りしない体つきになりました。故障以外では、彼女に死角は見当たりません」(スポーツライター・横森綾氏)