広島・佐々岡監督に「采配力なし」と批判が OB3人に待望論
広島が苦しんでいる。
5日の巨人戦で早くも今季5度目の零封負けを喫し、1分けを挟んで6連敗。ここ7試合は全て3点以下と得点力不足にあえいでいる。佐々岡真司監督(53)は「打線や。この3試合打てなかったから勝てない。つながりもない」と攻撃陣を責めたが、チーム打率.256はリーグ3位。1番の菊池涼は打率.357でもっか首位打者、主砲の鈴木誠にしても同5位の.314だ。にもかかわらず、1試合平均3.03得点は同5位。安打は出ても点が入らないのは、ベンチの責任でもある。
5日の巨人戦では、0―2で迎えた九回の守備で不可解な采配があった。2死二、三塁でベンチは外野陣に前進守備を命じたのだ。テレビ解説の達川光男氏は「4点目を防ぐ前進守備なんでしょうか。ちょっと意味が分かりませんね。セオリーでは外野は定位置に守って打者勝負なんですけど……」と疑問を呈した。案の定、亀井にレフトオーバーの2点打を打たれてジ・エンド。「定位置なら取れてましたね」とは達川氏。広島OBで投手コーチや編成部長などを歴任した川端順氏がこう指摘する。
「確かにあの守備隊形は疑問です。連敗中の佐々岡監督の焦りでしょうけど、投手出身だけに、外野守備が専門の河田ヘッドコーチに止めて欲しかった。佐々岡監督は春先、コロナ禍のために外でコーチ陣と酒を飲みながらコミュニケーションを取れないことを嘆いていた。選手時代から若手の面倒見が良く、人望が厚かった。今は若いコーチの自主性を育むために言いたいことも我慢しているようです。上にも下にも気配りができるいい男なんですが……」
球団からの評価は高い
この3連戦は巨人・原監督の積極的な采配が目立ち、広島ファンからは「監督の差」「采配力がない」といった佐々岡監督の采配を疑問視する声がネット上にあふれた。新井貴浩氏(44)、黒田博樹氏(46)、元阪神監督の金本知憲氏(53)といった球団OBの監督待望論も噴出しているほどだ。
それでも、広島の球団関係者によれば、就任早々の2019年オフ、国内FA権を取得した会沢、菊池涼、野村を立て続けに残留に導いた手腕に対する球団の評価は高いという。川端氏が続ける。
「それも佐々岡監督の人望です。性格がいいだけに、コーチ陣や選手たちとの壁がない。ただ、采配に動きが少なく、どんな野球がやりたいのか、勝負師としての厳しさもまだ見えません。もっと自分の色を出していいんじゃないか。勝てなくても球団から2年で肩を叩かれることはないでしょうけど、とにかく責任感が強い。V逸した場合は、自ら責任を取ると言いだす可能性は十分あります。投手陣は整備されてきているし、安打も出ている。少しかみ合えば、強さを見せられるはずです」
佐々岡監督は2年目にして早くもピンチを迎えている。