競歩・鈴木雄介を“殺した”ドーハの酷暑 まさかの五輪辞退
鈴木が優勝したドーハの世界陸上は、スタート時(23時30分)の気温は31度、湿度74%。過酷な条件下で、46人中28人しかゴールできなかった。この大会では女子マラソンも68人中完走は40人。28人が途中棄権した。マラソン、競歩の関係者から非難の声が上がり、国際オリンピック委員会(IOC)が東京五輪のマラソン、競歩の会場を慌てて札幌に変更するきっかけとなった。
前出の澤木氏が言う。
「日刊ゲンダイで何度か記事にしてもらったが、1995年8月の福岡ユニバーシアード大会のマラソンも暑かった。気温29度、湿度90%で無風。完走率は男子55%、女子70%だった。この結果、次の大会からは、マラソンはハーフマラソンに変更された。歩きながら水を飲むことができなかったほど体力を奪われた鈴木の世界陸上は、おそらく同等以上の厳しさだったでしょう。ロードレースには不向きな高温・多湿の暑熱環境の中、持久力の限界まで達すると、医師にもわからないような身体へのダメージが残るということです」
さらに澤木氏は続ける。