大谷翔平HR量産の裏側「車の運転」で増したリフレッシュ効果、日ハム時代は“置いてけぼり”の経験も
米国で車は生活必需品のひとつだ。マンハッタンのど真ん中に住んでいるならともかく、水を買うにしてもサンダル履きで近くのコンビニまで……なんてわけにはいかない。夜中だろうと、車を走らせてドラッグストアに買いに行くことになる。
■富裕層に人気の電気自動車
そんな米国で免許を取得した2019年オフまでの2年間、車を持たずに生活していたのが大谷翔平(27=エンゼルス)だ。
移動はもっぱら通訳の運転する車。深夜に突然、何かを食べたくなったり、飲みたくなったりしたときは、いったい、どうしていたのかとクビをひねりたくもなる。
米国ほど不便ではないにせよ、日本ハム時代や日本に帰国してからも移動は電車かタクシーだった。
■ひとり取り残されて
日本ハム時代のこと。オフにダルや中田らとトレーニングをした後、一緒に食事をすることになったのか、別の場所で落ち合うことに。中田は自分が運転する車、まだ免許のなかったダルは別の人間が運転する車に乗って出発、大谷はひとり、その場に取り残された経験があるという。そのとき、自分で車を運転して行きたいところに行ければ便利だろうなぁと思ったそうだ。
父親の徹さんも「ひとりで車を運転していれば、いい気分転換になる」と話したことがあるが、とにかく野球一筋、運転免許を取得する暇があればトレーニングをしたいというスタンスなのだろう。
米国で免許を取得したのはメジャー2年目のオフ、それも左膝を手術して動けない時期を利用したという。
そんな大谷がいま、米国で乗っているのは「テスラ」のモデルXという電気自動車らしい。米国の富裕層に人気で、買うのは予約待ちとも。買えば1000万円以上する高級車だ。車体の色は黒で、中が見えないようにスモークガラスになっているという。
「本拠地球場では選手が駐車場から出ていくところをチェックできないのですが、アリゾナのキャンプ地では大谷がテスラを運転して球場を出ていくところを見ました。グラウンドでの登場曲には人気アニメ『呪術廻戦』第1部のエンディングテーマを使用。大谷は実際に、そのアニメを見ているといいますから、運転しているときもその曲を聞いてリフレッシュしているかもしれません」
と、現地特派員がこう続ける。
「以前はドジャースに移籍したプホルスと、クラブハウス内にあったバスケットリングで遊んだこともある。チームメートとは一緒にレストランに出掛けるなど積極的に交流。1年目のキャンプでは投手陣と一緒にゴルフも楽しんでいます。英語でからかわれても平気な顔して日本語で言い返すなど、大谷は米国でストレスを抱えている様子がないのです」
ナインとの付き合いはストレスになるどころか気分転換。もともと米国生活を楽しんでいる大谷が、車という新たなツールを手に入れた。これまで以上にグラウンド外での生活が快適になったうえ、精神的にもよりリフレッシュできるようになったことも、本塁打量産につながっているのかもしれない。