ヤクルト奥川9勝目でM11点灯! 98.1回で9四球「与四球率0.83」精密制球の正体
「大事な初戦だったので、もう少し長いイニングを投げたかった」
ヤクルトの2年目右腕・奥川恭伸(20)がこう言って、悔しさすらにじませた。
8日の2位阪神との直接対決第1ラウンドに先発。最速150キロの速球とスライダー、フォークを駆使し、六回まで2安打1失点と好投した。七回に2本の安打を浴び、7番・島田に実に8試合54回3分の1ぶりとなる四球を与えたところで、マウンドを2番手田口に譲ったが、後続がぴしゃりと抑えてチーム最多タイの9勝目(3敗)をマーク。チームは優勝マジック11が点灯した。
プロ1年目の昨季は未勝利に終わった2019年ドラ1右腕が、あれよあれよと勝ち星を重ねている。その大きな土台となっているのは、バツグンの制球力だ。今季16試合に登板、98回3分の1を投げて四球はわずか9個。与四球率0.83は、球界屈指の制球力を誇る中日・大野雄大(1.63)、楽天・田中将大(1.65)も上回る。
奥川のコントロールを支えるのは、精密機械ばりのリリースポイントの安定感にあるという。ライバル球団の首脳陣が奥川の1球ごとのリリースポイントの位置を調べたところ、速球、変化球ともに上下のブレは数センチ程度、左右に関してはほぼ一致していた。