紀平は故障、坂本も4位止まり…「北京五輪」ロシア勢の対抗馬は17歳の“キム・ヨナ2世”
来年2月開幕の北京冬季五輪に向けて不安な船出となった。
五輪の前哨戦であるフィギュアスケートのGPシリーズ第1戦米国杯(ネバダ州ラスベガス)はアレクサンドラ・トルソワ(17)、ダリア・ウサチョワ(15)のロシア勢がワンツーフィニッシュ。日本勢3人は惨敗に終わり、2018年全日本女王の坂本花織(21)の4位が最高だった。
表彰台を逃した日本勢を尻目にロシア勢に次いで3位に入ったのが、ユ・ヨン(17=韓国)だ。最終日のフリースケーティングではトリプルアクセルなどの大技を成功させ、GPシリーズ自身2度目の表彰台に立った。
ユは16年の韓国選手権を史上最年少(11歳)で制して一躍注目を浴びると、20年のユース五輪(スイス)で優勝。シニアデビューを果たした昨季は初参戦したGPカナダ杯で3位につけた。今や韓国を代表するトップスケーターに成長。その美貌も含めてキム・ヨナ(バンクーバー五輪金メダル)2世と期待されている。
今回の米国杯では封印したが、高難度の4回転ジャンプにも成功しており、その精度はロシアのトップスケーターにも引けを取らないといわれる。日本のトップ選手の多くを指導する浜田美栄コーチに師事し、今後は五輪に照準を絞ってジャンプやスケーティングの精度をより高めてくるのは必至だ。