「肘なんてついて食べるなよ!」僕の右肘を内側からパチンと払うと真顔で言った

公開日: 更新日:

 これも食事の席の話になるが、レストランに入ると必ず、ウエーターに食材を確認していた。新庄さんはエビやカニが苦手で、アメリカ時代は、甲殻類が使われた料理は極力、避けていた。シーフード料理の多い地元サンフランシスコや、マイアミのレストランでは「食べ残すのは、作ってくれた人に悪いから」と、苦手なものを注文時に店員に伝えていた。

 グラウンドでも周囲への気配りを忘れず、監督、コーチや同僚選手はもちろん、クラブハウススタッフなどの裏方……自分に関わるすべての人への配慮を欠かさなかった。

 僕が通訳に採用された時にはこんなことがあった。

 01年のクリスマス。場所は都内のホテルだった。そこで新庄さんの面接を受けた時、最初の質問は「ところでキミは何歳なの?」だった。

 僕は学年で2歳下であることを伝えると、「OK、OK、年下ね」と、うなずいた。新庄さんは非常に礼儀を大切にする人で、おかしいと思ったことは看過できない。そのため、年上の通訳では自分が気を使ってしまうだろうから、年下の通訳を探していたそうだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 2

    阪神・西勇輝いよいよ崖っぷち…ベテランの矜持すら見せられず大炎上に藤川監督は強権発動

  3. 3

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  4. 4

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  5. 5

    阪神・藤川監督が酔っぱらって口を衝いた打倒巨人「怪気炎」→掲載自粛要請で幻に

  1. 6

    巨人・小林誠司に“再婚相手”見つかった? 阿部監督が思い描く「田中将大復活」への青写真

  2. 7

    早実初等部が慶応幼稚舎に太刀打ちできない「伝統」以外の決定的な差

  3. 8

    「夢の超特急」計画の裏で住民困惑…愛知県春日井市で田んぼ・池・井戸が突然枯れた!

  4. 9

    フジテレビを救うのは経歴ピカピカの社外取締役ではなく“営業の猛者”と呼ばれる女性プロパーか?

  5. 10

    阪神からの戦力外通告「全内幕」…四方八方から《辞めた方が身のためや》と現役続行を反対された