積水化学がクイーンズ駅伝悲願の初Vも…実業団の本音は「男子ニューイヤーと同日開催を」
「駅伝の優勝にまさるものはない。このメンバーで積水化学の強さを全国に見せられたことがうれしい」
28日、創部25年目の積水化学が悲願の初優勝を遂げ、エースで5区(10キロ)を走った新谷仁美(33)が笑顔でこう言った。
昔も今も、実業団の駅伝第一主義は変わらない。男子なら元日に行われるニューイヤー、女子は今大会(クイーンズ駅伝)に出場するのは最低条件。常連チームなら優勝することが「使命」と言っても過言ではない。
「選手個人が大舞台で活躍しても企業の宣伝効果は低いからです」と、ある実業団OBがこう語る。
「3区で10人抜きの快走を見せた広中(璃梨佳・21)は、東京五輪1万メートルで7位入賞。この種目では日本勢では25年ぶりの快挙だったが、広中が日本郵政グループ所属とわかる人は少ない。2年前の世界陸上男子20キロ競歩で金メダルの山西利和(25)もそう。彼は東京五輪でも銅メダルという立派な成績を残したのに、愛知製鋼の選手であることを知っている人はどれくらいいるか。駅伝で優勝する方が、企業PRの効果はケタ違いに大きいのです」