米英豪が北京五輪「外交ボイコット」検討中でも…中国側にはダメージなしの裏側
来年2月に迫る北京五輪を巡り、連日「外交ボイコット」という単語が飛び交っている。
五輪における外交ボイコットとは、国家が大会に政府高官を派遣しないことを指す。今回は新疆ウイグル自治区に関する人権問題が主な理由で、現時点では米、英、豪などが外交ボイコットを検討している。
これまで五輪は外交の場としても役割を果たしてきた。たとえば、2014年ソチ五輪(露)では、同国が前年に定めた同性愛宣伝禁止法を発端に欧米主要国の大半が欠席を決める中、当時の安倍晋三首相は早々に参加を表明。開会式の翌日、プーチン大統領と約1時間の会談、非公式の昼食会を行い、そこで同大統領の訪日日程などを取り決めている。
五輪外交で国家間の関係維持・向上が見込まれるが、仮に各国が外交ボイコットを選択した場合、中国にはどのような影響があるのか。
「ダメージはほとんどないでしょう。そもそも東京五輪もコロナ禍で主要国の首脳はほとんど来ていませんでしたし……」と、中国事情に精通する国際ジャーナリストの近藤大介氏はこう続ける。