米英豪が北京五輪「外交ボイコット」検討中でも…中国側にはダメージなしの裏側
「特に米国が外交ボイコットを示唆しているのは、来年11月の中間選挙に向けた国民へのアピールの意味合いが強い。実のところ、つい先日のオンライン米中首脳会談でバイデン米大統領が紅色、習近平主席が青色と、互いの党色のネクタイを締めて臨んでいたことからも見て取れるように、両国間には融和ムードがあります。しかし、米国内では対中感情が高まっているので、バイデン大統領は中国への強気な姿勢を示すことで、国民の支持を得たいのですよ。それに、習近平主席は何よりもコロナを恐れています。むしろ、あまり多くの国には来てほしくないとすら思っているのでは」
それでは、日本はどう対応するのか。
「来年は日中国交正常化50周年の節目ですし、コロナ禍でも貿易依存度は増しています。加えて、東京五輪に逆風が吹いた時、真っ先に開催支持を表明してくれた借りがある。かといって岸田首相が参加したら国際社会で角が立ちますから、代わりに林芳正外相が参加することで場を取り持つのでは。つい最近まで日中友好議員連盟会長を務めていたし、経済界からは林外相の参加を求める声もあるようです」(近藤氏)
人権問題はあくまで建前。ボイコットを支持する国も、そうでない国も要は自分たちの都合を優先しているのだから中国に影響を与えるはずがないのだ。