もうワクワク♥ 早く来い! 来い!箱根駅伝!
国道ニーヨンロクから箱根駅伝に愛を込めて(下)
(井上梨紗/フリーランス・アナウンサー)
エフエム世田谷での「世田谷246ハーフマラソン」の生中継は、例年だと健康マラソン5キロのコースに新宅雅也さんと谷口浩美さんがゲストランナーとして走られ、番組にもゲスト解説として出演していただいているんですが、コロナ対応でこの健康マラソンがない!
ということでゲストがいらっしゃらない!!
「これは大変!」と局のスタッフは大慌て。そんな中、今年は神奈川大学の大後栄治監督にお願いし、出演していただくことが出来ました。大後監督には感謝、感謝! でした。
レースの中継体制は私のいる(発着点の)世田谷・駒沢陸上競技場の他に2、5、10、15キロ地点に各中継レポーターが配置。本当は、中継車に乗ってレポートが出来ればいいんですけどね……。
ロードレースを渇望していたランナーたちの序盤のペースは、いつもより速めでした。
5キロの中継地点では東京国際大のルカ・ムセンビ選手(3年)が先頭、手元タイム14分35秒前後で通過しました。
各大学の監督たちからレース前に「ルカ選手が出るんだよね? じゃあ~、1位はうちじゃないな…。ルカ選手でしょうね」という声が聞こえていました。
しかし、10キロ地点では駒沢大の唐澤拓海選手(2年)に先頭が代わり、10~15人くらいの集団で通過。ルカ選手、飛ばし過ぎた? でも引っ張ってくれたのでタイムは好調でした。
さらに15キロ地点で先頭は、青学大の田中悠登選手(1年)に代わりました。その後、唐澤選手と競い合いながら、駒沢陸上競技場のトラックにトップで入ったフレッシュグリーンの田中選手は、余裕の笑顔で最後の直線を走り切りました。
トップでゴール後、雄叫びを挙げながらガッツポーズ! 1時間2分38秒の好タイムでした。
優勝インタビューで目の前に立つ田中選手、いやぁ~足が長い! 真っ直ぐで綺麗な長い足。しかもイケメンさん!
これはまたファンが付くなぁ~~~と。その通りのことを本人に伝えると田中選手、照れながら「親からもらったいい脚です! 憧れの箱根なので走りたいです」ときっぱり言い切りました。
■青学大1年・田中選手がハーフマラソンV
「それでは原監督に是非アピールを!」と投げかけると「トップ取りました! メンバーに入れてください! 全日本、本当に悔しかったので何が何でも優勝して4年生を男前にしたいです!」と笑顔いっぱいで明るくコメントしてくれました。
田中選手は、12キロ辺りで「ペースが遅い」と感じ、スピードを上げたとのこと。「迷ったら攻めろ」と原監督からミーティングの時に言われていたといいますが、初のハーフマラソンで自分から仕掛けていけるルーキーって……度胸あるわ!
ゲスト解説の大後監督も「この春まで高校生ですよ! 高校生が半年足らずで初のハーフで1時間2分台で走るってポテンシャルの高さにびっくりですよ。さらに箱根が楽しみですね」と話されていました。
原監督は、世田谷ハーフで成績が良かった選手は、これまでほぼ箱根で使っています。将来のキャプテン候補とも言われている新鋭・田中選手に大注目ですよ、皆さ~ん!
さぁ! あと半月ほどで第98回箱根駅伝。大混戦の戦国駅伝到来と言われているけど、この世田谷ハーフのレース解説をされていた大後監督は仰られていました。
箱根駅伝の選手選びは「本当に大変」
「走る10人全員がすべてベストコンディションで臨めるのはなかなか難しい」と。
最終的に3位となった駒大の唐澤選手について藤田ヘッドコーチは「競って3位か……。青学さんには勝って欲しかったですね。この負けた悔しさを箱根でぶつけて欲しい」と話されていました。
駒大主将の田澤簾(3年)が全日本で期待以上の良い走りをしていたけど、鈴木芽吹(2年)、山野力(3年)の復調ぶりも気になります。
選手層は、やはり青学大が図抜けていますよね。世田谷ハーフでも1位以外に2位、5位、7位、8位と10位以内に5人も入りました。スゴイ! と言うしかありません。
番組の最後に大後監督に箱根を見据えながら、お話をいただきました。
「留学生がいる大学では2区で主導権を取りたいでしょう。5、6区の特殊区間で差が出せるか、が大事。平坦な区は、どの大学さんもほぼ互角で差が出にくいんですよ、今は。なので5、6区のスペシャリストをどう育てるか、が大事なんですね。総合力で青学さん、駒沢さんが強いでしょうが、とにかく<混戦>になるでしょう。明治さん、中央さんはスピードがずば抜けている。早稲田さん、東洋さん、東京国際さんも注目です。怪我人、体調不良者を出さないが大事ですね」
「選手選びは本当に大変です。大学生ですから4年間しかないわけですよ。この限られた時間で走れる、走れないは一生を左右することもあると思うと、各監督は悩み眠れない夜を過ごすわけです。神大も箱根は出るだけではなく、果敢に攻めたいと思っていますよ!区間のひと桁順位を各区間の選手が、ひとつひとつ取って行けるか、ここがポイントとなります」
全日本の日本学連選抜チームの3区で走った神奈川大学の巻田理空(2年)に、私は期待したいな!
國學院大の殿地選手に注目
さて、最後の最後の追加。
「2022年の箱根はどうなの?」って軽い感じで周囲から聞かれることが多くなった年末。う~ん、分かんないです(笑い)。
ここ数年、特に予想がすごく難しくなった気がします。本文でも書いたけど、「駅伝戦国時代」って言われているくらいだしね。だから観る方は面白いんだけどーー。
各大学ともスピードのある選手が多く、平坦での走りの差は余りない。なので、ここまでくるとコンディションをどう整えるか、がマジで大事なはずです。
10日に発表された各大学の16名のエントリーリストを見てみると、青学大は公認記録で1万㍍.27分台はいないけれど16人全員が28分台。これって粒ぞろい過ぎるでしょ。ハーフのタイムにしても、1時間2分台が5人もいます!
駒大は1万メートル27分台が田澤選手と疲労骨折から復帰した鈴木選手がいて、ハーフの1時間2分台は世田谷ハーフで出した唐澤選手がいます。
出場校全体でタイムをチェックすると、やはり青学大と駒大は強そう。
あと往路4区までに差を付けていても、5区の特別区に強力な選手がいたらド~ン! とひっくり返えしてしまうかも、というドキドキもある。今まで以上に上り5位、下り6区が大事な区間になる予感です。
そうそう「激坂最速王決定戦」という、箱根の山を登る13.5キロのレース(箱根5区は20.8キロ)があるんです。今年は箱根を目指す大学生も多く参加して、学生トップが國學院大の殿地(どんぢ)琢朗選手(4年)でした(ちなみに1位は<あの3代目・山の神>の神野大地選手でした)。
ツイッターで「4代目になりたいですね」という殿地選手のコメントを見かけたけど、5区上りを爆走することを期待したいです。
実は國學院大、私の母校だったりするんですけど、2001年に初出場してから強くなったなぁ。前田康弘監督も選手選びに悩むほどじゃないかな、後輩たち、頑張って下さいね~!
さらにもうひとり、「サンショー」と言われる3000㍍障害で東京オリンピック7位入賞という快挙を果たした順大の三浦龍司(2年)の走りも、凄っごぉ~~~く楽しみです。もうワクワクですよね♥
早く来い! 来い! 箱根駅伝!
あっ、その前に、元日にはニューイヤー駅伝もあるよ~(笑い)
▽井上梨紗(いのうえ・りさ) 東京都出身のフリーランス・アナウンサー。高校時代からモデル活動を始め、大学時代に「東京アナウンスアカデミー」を修了。ラジオ、テレビ、各種イベントなどでMCやレポーターを務める。2003年から4年間の豪州在住経験を生かして留学関連アドバイザー、大好きなサッカー関連のセミナーやシンポジウムのMCなど活躍の場は多岐に渡る。