照ノ富士また苦戦も冷静対処で連勝 攻められた際の対応力も格段進化!
「おっつけられるとすぐに差し手を抜いて抱え込める」
解説を務めた元横綱稀勢の里の二所ノ関親方も、こう言って舌を巻いた。
横綱照ノ富士(30)が初日から2連勝。10日は若隆景に腕をたぐられるも、冷静に対処して小手投げで仕留めた。
それにしても驚くべきは照ノ富士の思い切りの良さだろう。四つ相撲の力士にとって、下手を狙う差し手は最重要。それを展開次第であっさりと捨て、二の矢を放てるのだから並の力士が及ばないのも無理はない。
親方のひとりは「序二段に転落する前の大関時代の照ノ富士だったら……」と、こう続ける。
「おっつけられても差し手は抜かず、むしろ強引に深くねじ込んでから腕を返して、上体を起こしていたでしょう。ヒジを張って、相手の腕を内側から押し上げる形です。しかし、それではさらなるおっつけを許しかねない。攻める技術は言うまでもなく、攻められた際の対応力も格段に進化している。特にこの日のような相撲を取られると、体格で劣る四つ相撲の力士はなすすべがない。腕を抱えられた時点で勝負ありですからね」