ロッテ小林雅英「緊張で何も覚えていない」【合同自主トレ・春キャンプで起きた新人のハプニング】
巨人ドラ1澤村が新燃岳噴火で「のどに違和感」もウエートトレ
プロ野球の新人合同自主トレが真っ盛りだ。右も左も分からないだけに、1年目は何かが起こる。球界OB、関係者が1月の新人合同自主トレ、2月の春季キャンプで起きた「新人選手のハプニング」を明かした。
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11年1月27日、宮崎県と鹿児島県の県境にある霧島山系の新燃岳が噴火した。巨人が合同自主トレを行っていた宮崎市内は、噴火口から約55キロの距離。練習の時間帯こそ青空が広がっていたが、夕方には上空に灰色の噴煙が延びてきた。さるチーム関係者は「エースの内海哲也や新人で唯一参加していたドラフト1位・澤村拓一も『のどに違和感がある』と口にした。特に澤村はプロ初のキャンプの前にいきなり火山が噴火して戸惑いを隠せなかったようです」と言う。
キャンプインの2月1日も午前8時前に新燃岳で2日ぶりに爆発的噴火が発生。グラウンドに火山灰が降り積もったため、ウオーミングアップ場所が室内練習場に変更となった。選手からは「せきが出る」「呼吸するのが大変」「口の中がジャリジャリして目が痛い」といった声が相次いだ。
「それでも澤村は休日に畜産農家を訪れた際、『宮崎は口蹄疫、鳥インフルエンザ、新燃岳の噴火など、悲しいニュースが続いている。プレーで宮崎の人を勇気づけたい』と言うと、宿舎に戻るなり一心不乱にウエートトレーニングに励んでいました」(同前)
27歳オールドルーキーの左肩痛を救ったプロのトレーナー
00年の西武ドラフト2位の三井浩二氏は「僕がプロ入りしたのは27歳の時。社会人野球も9年やって、いわゆるベテランの域だった。だから、新人合同自主トレは体力的につらかった。特にアップやランニングなどの走るメニューが……。社会人野球で1月はあまり練習しません。会社の業務もあるので、一日まるまる練習というのはない。それでも即戦力と期待されていたので、早くブルペンでアピールをと思って飛ばし過ぎた。合同自主トレ中に左肩を痛めました」。
そんな三井氏を救ったのがチームのトレーナー。
「僕が自分で気付くより早く、『ここが張ってますね』と丁寧にマッサージをしてくれた。これで助かったと言っても過言じゃありません。これも社会人とプロとの違いですが、社会人野球は大会中でもない限り、常にトレーナーがいるわけではない。活動形態がプロと異なるので仕方ないけど、『プロはここまで丹念にマッサージしてくれるのか』と感動しました」
「頭が真っ白で何も覚えていない」
98年のドラフトでロッテに1位指名された小林雅英氏は、「1年目のキャンプの練習内容は、頭が真っ白で何も覚えていないんです」とこう続ける。
「いつブルペンに入ったか、誰とキャッチボールをしたかも覚えていない。とにかく緊張しっぱなしで、気付いたら1月が終わっていたという感じ。一軍キャンプに抜擢されたルーキーは僕ひとり。周囲は知らない人ばかりだし、初めてだから何をしていいかも分からない。担当スカウトが何日かに1度来て、少し話をするのが唯一の安らぎでした(笑い)。同期の新人がいれば、まだ余裕もあったんでしょうけど……」