エンゼルス大谷が難敵レイズからキャリア初の満塁弾 それでも敵将に頭が上がらないワケ
エンゼルス・大谷翔平(27)が日本時間10日のレイズ戦に「3番・DH」で出場し、今季初の2打席連続弾をマークした。6回の第3打席で10試合ぶりの5号ソロ。7回の第4打席でキャリア初の6号満塁弾を放った。過去3年連続ポストシーズン進出を果たしているア・リーグ東地区の強豪相手に、12日には今季4勝目(2敗)をかけて登板する。
レイズを率いるケビン・キャッシュ監督(44)は2020、21年と2年連続でア・リーグ最優秀監督を受賞。ブレーブスのコックス監督(04、05年)に続く史上2人目の偉業を成し遂げた名将だが、実は大谷にとって恩人ともいえる存在である。
大谷は昨年のオールスター(デンバー)に史上初めて投打の二刀流として選出された。並みいるア・リーグの好投手、強打者を抑えて「1番・DH」で先発登板を果たした。昨季までの規定では先発投手はDHとして打席に立てず、特別ルールでの出場だったが、球宴史上初の二刀流を実現させたのがキャッシュ監督だったのだ。
コミッショナーに直談判
同監督は大谷の投打同時での出場を提案。MLBから当初、「前例がない」と難色を示されたものの、キャッシュ監督は「ファンが最も見たいと思っているのが、大谷の二刀流だ」とマンフレッド・コミッショナーに直談判したという。
大谷は打者として2打数無安打に終わったが、投げては1回を3者凡退に仕留めて勝利投手になった。真夏の祭典での成功がきっかけとなり、昨オフの労使交渉で、先発投手が降板後もDHで出場を続けられる「大谷ルール」の導入が決まった。
キャッシュ監督は同日、「大谷ルール」について「まずい考えだったよ」と本音を披露。大谷今季、新ルールの恩恵を受けて、ここまでの打席数130はリーグ3位タイ(10日現在)。打席数はタイトル争いにも影響するだけに、大谷は敵将に頭が上がらない。