巨人球団史上“最速”自力V消滅で問われる原監督の重大責任…それでもあと2年続けるのか
今のままではAクラスも危うい
そこで昨オフ、新たに3年契約を結び、「全権」として身分が保障されている原監督である。前出の高橋氏が続ける。
「まだセ2位とはいえ、Bクラスの4位・阪神も3ゲーム差。最下位・中日まで6.5差。昨年も10連敗を食らうなど、菅野、坂本、丸といった主力は下り坂で、長年補強に頼ってきたツケが出始めています。ヤクルトのように若手の育成が進んでいない。今の戦いぶりでは、Aクラス死守も危うい。これは原監督の持論ですが、計16年目という超長期政権で組織が硬直化しているのはあるでしょう。2年連続で今年もV逸するようなら、現作戦兼ディフェンスチーフコーチの阿部慎之助ら次の世代に監督の座を禅譲して欲しいという声が、ファンの間で高まるのではないか。球団も原監督も身の処し方を考えざるを得なくなると思っています」
■12球団で60代の監督は2人だけ
高橋氏が言うように、原監督はかねて、「一人の人間が長く組織を率いるのは必ずしもいいことじゃない」と持論を語っている。そうでなくても、今の12球団で60代の監督は、63歳の西武・辻発彦監督と2人だけ。その辻監督も1年契約が切れる今季限りで身を引き、46歳の松井稼頭央ヘッドコーチに禅譲するのが既定路線だ。各球団で世代交代が進み、過去の実績にしがみついているのは巨人だけと言っていい。
そんな原監督の周辺によれば、たとえ契約は3年あっても、次の監督に道筋をつけられれば、1、2年で勇退するのではないかとの見方もある。もしくはBクラスや最下位といった「惨敗」となれば、自ら身を引く可能性があるというわけだ。
昨オフに「契約を3年延長してくれ」と頼んだのは球団側だが、そんな約束を反故にすることができるのも巨人。このままズルズルと失速するようなら、今季限りでお役御免もありそうである。