著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

それでもワクチンは打たない “鉄仮面”ジョコビッチの譲らぬ主張とブレない姿勢

公開日: 更新日:

 テニスの特徴は、男女一緒に発展した独特の歴史にある。コートの躍動、華麗な技術にとどまらず、ゴシップとスキャンダル、金、セックス何でもござれが楽しみの世界だった。そうでなければ、女子選手があんな短いスコートで満場の舞台に立つはずがないだろう。下卑た視線や偏見も突破してスタンディングオベーションに浴する。子供の世界ではないのだ。

■我々の現実と直結しているテニスの世界

 今年、ウィンブルドンは世界1位のメドベージェフ(ロシア)らの参加を認めず、開幕後には昨年の準優勝者で前哨戦2連勝のベレッティーニ、17年の準優勝者のチリッチら有力選手がコロナ感染で棄権……コロナ禍とロシアのウクライナ侵攻で、世界ツアーを展開するテニスは揺れ続け、選手も分断されている。

 だが、だから面白いのだ。そういう我々の現実と直結しているから、テニスの試合は人間っぽく奥深い。

 その意味からも、進行中のウィンブルドンの主役はジョコビッチになる。昨年は全豪、全仏、ウィンブルドンをさらい、年間グランドスラム目前の全米決勝でメドベージェフに敗れた。今季はワクチン拒否で全豪から追放され、3月の米国のマスターズ2大会にも出られず、その間、メジャー通算優勝回数で並んでいたナダルが抜け出した。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…