パ連覇オリ中嶋、2位ソフト藤本とも苦労人 「二軍監督経験あり」指揮官が今、強いワケ

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 オリックスの中嶋監督(53)が5度、宙を舞った。

■パでは史上初のリーグ最終日に逆転V

 リーグ最終戦までもつれ込んだパの優勝争いはオリックスに軍配。楽天を5-2で破り、さらにソフトバンクロッテに負けたことで、2年連続Vを達成した。パの優勝がリーグ最終日で決まるのは1963年の西鉄(現西武)以来、59年ぶり。その条件下で、2位チームの逆転Vは史上初だ。一時期は首位だった楽天と11.5ゲーム差も離れていただけに、大逆転である。

 胴上げ後、「まあ、本当に感無量と言いますか、こんなことあるのかと信じられない思いです」と話した中嶋監督。「野手のみんなもわかってるけど、投手の頑張りがなければここまでこられなかった。野手も、もっと頑張ってください」と真顔で注文をつけ、場内のファンを笑わせた。

 2019年から二軍監督を務め、20年シーズン途中から一軍の監督代行を経験した“叩き上げ”。負けたソフトバンクの藤本監督(58)も、二軍監督経験者。くしくも苦労人指揮官対決となったが、これはある意味では必然かもしれない。

■二軍監督経験者が両リーグに6人も

 2年連続セ・リーグを制したヤクルトの高津監督も、17~19年まで二軍監督を経験。それだけではない。パ3位の西武・辻監督、セ2位のDeNA三浦監督、3位の阪神・矢野監督と、今季のAクラスチームの監督6人は、いずれもファームを指揮した経験がある。

 07年にヤクルトで二軍外野守備走塁コーチを務め、ソフトバンクでも一軍から三軍までのコーチを歴任した飯田哲也氏は「間違いなく、二軍での経験がプラスに働いている」とこう続ける。

「二軍監督を務めれば、そのチーム、選手すべてを理解できると言っても過言ではありません。ファームの若い選手は当然として、一軍の動向にも常に気を配っている。『こんな選手がファームにいます』と、一軍の現状に当てはまる選手を推薦するのも仕事だからです。そうした経験があれば、いざ一軍の指揮を執った時も、この選手はプレッシャーに強い、あるいは弱い。この選手はこういう場面の時に使える……など、判断材料が豊富になる」

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