驚異的「円安ドル高」が大リーグを目指す日本人選手に与える“意外な影響”
一方、例えばドル建てで給与が支払われる米国駐在員らは、為替相場の変動によってドルが強くなっているから、給与を日本円に換算すると金額が増えているように見える。
実際には米国は日本以上に物価が上昇し、特にニューヨークやロサンゼルスなどの大都市での生活費も高騰しているため、円安ドル高の恩恵を全面的に受けているわけではない。
野球に限れば、2000年に約189万ドルであった平均年俸が、22年は約441万ドルと約2.3倍上昇した大リーグと、同時期に3269万円から4312万円と約1.3倍上昇した日本のプロ野球と、両者の差は確実に開いている。
この間、最低年俸を20万ドルから70万ドルへと段階的に3.5倍引き上げた大リーグと、一軍最低年俸が1300万円と1600万円と約1.2倍の増額にとどまっているプロ野球という、構造的な違いがある。
国内総生産(GDP)が00年の約10兆ドルから21年の約22兆ドルと2倍に増加した米国と約535兆円から約536兆円とほぼ横ばいであった日本の経済規模の差も見逃せない。