著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大准教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部准教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

来季から「ユニフォーム袖の広告」解禁 人気球団・Rソックス年間23億円のカラクリ

公開日: 更新日:

 大リーグの広告は、2000年代に入ると無地のバックネットに映像を重ねることで試合を中継する国や地域に合わせて最適化した内容を流すなど、絶えず進化してきた。

 さらに、大リーグにおける広告のあり方は23年のシーズンから大きく変わる。今年3月に締結された最新の労使協定でユニホームへの広告を解禁。来季からレッドソックスが初めてユニホームの袖に企業のロゴマークをしるしたワッペンを縫い付けることになったのである。従来、球界がユニホームへの広告を禁止してきたのは、ユニホームこそ球団を他の球団から区別する象徴的な存在とみなしてきたからだ。

 選手の移籍や大リーグとマイナーリーグとの移動が頻繁な球界にあって、選手の顔触れが変わっても、変わらないものがユニホームであり、ヤンキースのピンストライプやドジャースの胸に縫い取られた躍動感あふれる文字などは、大リーグそのものを代表するといっても過言ではない価値を育ててきた。

 現在、全球団の帽子にニューエラ、ユニホームの右胸にはナイキのロゴが入っている。これは両社が全球団に帽子とユニホームを提供していることによる例外的な措置である。しかも、両社のロゴマークを帽子とユニホームにしるすことが決まった際には人々から大きな批判が起き、改めて野球におけるユニホームの存在感の大きさが示されたのであった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭