政界に転じたMLB有名選手たちの明暗 野茂の元同僚は公金横領発覚、息子がJr.から登録名変更
■224勝投手から共和党保守派の重鎮に
政界に転じて最も大きな成功を収めたのは通算224勝の大投手ジム・バニングである。バニングは1971年限りで引退後、故郷ケンタッキー州フォートトーマス市の市議会議員を振り出しに、州議会上院議員を経て連邦下院議員に当選。6期12年務めたあと連邦上院議員になり、2期12年その地位にあった。議会では共和党保守派の重鎮として知られ、元カブスの実況アナウンサーだったレーガン大統領やテキサス・レンジャーズの元オーナーであるブッシュ大統領(子)と近い関係にあった。
上院議員選に出馬して惨敗したのは70年代中ごろ、レッドソックスの左のエースだったビル・リーである。リーは現役時代「スペースマン(宇宙人)」のあだ名があった変わり者で、引退後は民主党左派のサンダース議員の熱心な支持者になった。2016年にはレッドソックスファンの多い東部バーモント州から連邦上院選に打って出たが、民主党の公認争いに敗れて独立系の候補として出馬したことや、「私は社会主義者だ。キューバの教育制度を取り入れたい」という過激な主張が選挙民に冷笑されて2.8%しか得票できなかった。