(5)日本代表人気を国内にどう還元するのか真剣に考えなければならない
──ブームというのはいつか終焉を迎えます。
「我々は、なでしこジャパンでそのことを経験しました。2019年に日本でW杯が開催されたラグビーもそうです。盛り上がった直後にコロナ禍に見舞われ、大きな打撃を受けてしまいました。
今の代表人気を国内のサッカーにどう還元していけるか、真剣に考えなければいけません。サッカーをやりたい子ども、女性、年配者にプレーできる場所を提供したり、地方のテレビ局がJリーグの放映権を獲得し、地上波で試合を中継することも効果的でしょう。たとえばJ3今治ですが、地元のテレビがデーゲームを生放送で流したら、地元の人が『新しいスタジアムが完成した』と再認識できる機会にもなります。地道な努力を重ねていきたいと思います」
■秋春制で新たなファン拡大の可能性
──今年からJリーグが地方のテレビ局とタッグを組み、サッカー番組の放送に着手します。
「プロ野球とシーズンが重ならないようにするのも一案です。米国では4大スポーツの野球、バスケ、アメフト、アイスホッケーのシーズンが、なるべく重ならないように配慮され、それぞれに関心が高まるような仕組みになっています。Jリーグが秋(開幕)─春(閉幕)制になれば、新たなファン層の開拓が実現するかもしれません」