大谷翔平“WBC男気MVP”で背負うリスク 25日にマイナー戦登板→中5日で開幕の超強行日程
調整途上で164キロの剛速球、体中からアドレナリン!
23日、大谷は当初の予定通り日本時間25日、マイナー相手に登板することが分かった。すでに31日に開幕投手(対アスレチックス戦)を務めることが決まっていて、渾身のリリーフをやった決勝から中2日で登板、そこから中5日で開幕を迎えることになる。ネビン監督が明かしたもので、大谷本人と話した上で決めたという。
そして開幕後は、昨季よりタイトな原則中5日のローテを強いられる。
大谷が今回のWBCにかける意欲は並々ならぬものがあった。それは日本が勝ち進むに従って膨らみ、米国の決勝ラウンドで感情は爆発。準決勝で二塁打を放った際には一塁手前で自らヘルメットを脱ぎ捨てて加速、二塁ベース上では日本ベンチに向けて「カモン!」と絶叫。オレに続けとばかり、両手を何度も振り上げた。
優勝の瞬間には雄たけびを上げながら、グラブと帽子を力いっぱい放り投げた。エンゼルス入り後は5年連続負け越しているだけに、勝つ喜び、楽しさを痛感したからに違いない。調整途上で、なおかつ球団が制止していたにもかかわらず、それを振り切ってリリーフ登板、164キロの剛速球を投げたのは、体中からアドレナリンが出まくっていたからでもある。
■「1日、2日たったときにどうか」
決勝直後、MLBネットワークに出演。メジャー通算219勝で野球殿堂入りしたペドロ・マルチネスから疲れが心配だと言われてこんなふうに答えている。
「いまは、ちょっと興奮気味なところがあるので疲れはあまり感じてないですけど、1日、2日たったときにどうなるのかなというのは、反応を見ながらになると思うので、まだシーズンも控えていますし、しっかりとリカバリーを取って頑張りたいと思います」
球団がブレーキを踏んでいたのを、自らひっくり返して登板しただけに、疲労くらいで25日のマイナー戦をキャンセルすることは難しいのではないか。そうやって疲労が抜けないまま開幕に突入すれば、いよいよ体が悲鳴を上げることになる。調整途上のムリがたたって故障なんてことになれば、それこそ失うものはとてつもなく大きい。
大谷はWBCの活躍で評価を上げた一方、それがチャラになるくらいじゃ済まないほどのリスクを背負うことになった。