メッツ千賀“ゴーストフォーク”ようやく解禁 ここまで封印させたベテラン指揮官の深謀遠慮
メッツ・千賀滉大(30)が日本時間28日の紅白戦に登板。開幕に向けた最後のマウンドは同僚打者20人を相手に無失点、9奪三振。6日のカージナルス戦後に右手人さし指付け根を痛めてから封印していたフォークを解禁した。
試合後の千賀は「しっかりと投げ込むことを意識してコントロールできたので良かった」と満足そうに振り返った。
渡米後、米メディアがこぞって「ゴースト(お化け)フォーク」と驚きをもって伝えた決め球を使わなかったのは、最優秀監督賞4度のバック・ショーウォルター監督(66)の入れ知恵ともっぱらだ。
ベテラン指揮官は、上原浩治(現野球解説者)、和田毅(現ソフトバンク)らが所属していた当時のオリオールズで指揮を執った経験があり、日本人投手を熟知。この2人は揃って故障に苦しみ、特に和田は移籍1年目のキャンプで左肘靱帯を痛めてトミー・ジョン手術を受け、メジャーで登板することなく2年契約を終えた。
過去の経験から日本人投手に肘の故障が多いことを理解しているショーウォルター監督はフィジカルに不安を抱える千賀の肘への負担を考慮したうえに、レギュラシーズンで相手打者をかく乱するため、新人右腕にはあえてフォークを使わせなかったのだ。