中日ロドリゲスが「亡命」で失う大金と平穏…メジャー移籍目指しすでにドミニカに入国
亡命したからといって明るい未来が待っているとは限らない。
メジャー移籍を目指して亡命した中日のキューバ人投手、ジャリエル・ロドリゲス(26)。昨季はリリーフとして56試合に登板し6勝2敗、防御率1.15。最優秀中継ぎ投手に輝き、オフに年俸2億円の2年契約を結んだばかりだった。
ロドリゲスはすでにドミニカ共和国に入国。米国では総額数十億円規模の契約になると言われているが、当然、ロドリゲスの代理人を務めるキューバ野球連盟は激怒。中日との契約を破棄するなら1000万ドル(約13億円)の違約金を請求する、と息巻いている。
実際に支払い義務が生じるかはともかく、果たしてロドリゲスはメジャーで順風満帆な野球人生を遅れるかどうか。
大リーグに詳しいスポーツライターの友成那智氏は「高額の契約を結べても、どれだけ手元に残るか」と、こう続ける。
「昨季までロッテに所属したマーティンの例がある。彼はキューバからメキシコに亡命し、2011年にレンジャースと5年総額1500万ドル(約20億円)で契約。しかし、亡命を手引きした自称代理人のブローカーに、引退するまで年俸の30%を毎年払う契約を結ばされた。メジャー選手は連邦税や地方税などで、年俸のおよそ50%弱が税金で持っていかれる。そこからさらに30%を引かれるとなると、年俸の20%しか残らない。5年20億円、単純計算で年俸4億円でも、自分が手にするのは8000万円だけということになる。マーティンはこのあまりの暴利にブローカーらを告発。裁判となり、2014年には関わったキューバ系アメリカ人など複数の逮捕者が出て、この奴隷契約は破棄されることになりました」