岡田監督“タテジマ愛”のルーツ 整形外科医がストップかけた禁断の1000本素振り

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 それでも1000本素振りをやめなかった岡田監督。阪神入団時に「ゴッドハンド」の異名をとった名トレーナーが「新人なのに素晴らしい筋肉をしとる。何十人に1人やろな」と絶賛したマッスルが、骨を包んで救っていたのかもしれない。

 私は北陽グラウンドには何度も足を運んだ。思い出深いのは90年春。センバツに出場するプロ注目の右腕・寺前正雄の取材に訪れた時。どっぷり日が暮れた練習後、自身通算10回目の甲子園出場を果たした名将・松岡英孝監督に手招きされた。

「ここの食堂であぐらをかいて食べていきなさい。お母さんたちが作ったバラ寿司。私も選手も、コーチもOBも保護者も食べる。取材に来たお客さんも食べるんです」

■「酒は選手人生縮める」

 そして野球談議に花を咲かせていると「ほう。普段はプロ野球、阪神の取材ですか。それなら伝言をお願いできますか」と頼まれた。

「酒の量を減らしなさい。酒は目にくる。そのトシになって視力が衰えたらバットは振れない。選手寿命が延びるかどうか、大事な時期だぞ。岡田にそう伝えてください」

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