大谷翔平が笑顔に隠す「ビジネスライクでシビア」な一面…ニューバランスと契約のウラ側
大谷からはウエットな感情を感じない
そもそも大谷は、しがらみに縛られないタイプではある。メディアではなにかと、WBCで日本代表を率いた栗山英樹監督との“師弟愛”が語られるものの、1月に2人で臨んだ日本代表の会見でこんな一幕があった。
報道陣から、「WBC出場を決断をする上でやはり栗山監督の存在は大きかったか?」と聞かれ、「本人を目の前に本当に申し訳ないですけど、恐らく誰が監督でも出たいなという気持ちは前向きだった」と返答。会見場には「大谷流ジョーク」と笑いが起きたが、「いや、あれは本音だと思いますよ」と、日本ハムの元担当記者がこう言う。
「すぐさま、『自分の知っている監督が指揮を執ってくれるのか、そうでないかは、選手にとって大きいところではあるので、栗山監督だからこそというのはあるかもしれないですね』とフォローしてましたが、2人の師弟関係はどちらかといえば、栗山監督の片思いというか一方通行。日ハム時代から、師弟愛とか絆とかウエットな感情を大谷から感じたことはない。
頭にあるのは、自分が二刀流として結果を出すためにはなにをすればいいのかだけで、だから新人だった18歳、19歳の頃から先輩の食事の誘いも平気で断る。当時の関係者やコーチがよく、『翔平の笑顔にだまされちゃいけないよ。あいつは、ニコニコと人の話を聞いているようで、実際には右から左。こっちの言うことなんてなんにも聞いてないから』と言っていたものです。まさに我が道を行くという感じで、だからこそ前人未到の二刀流を成功させているのだと思いますが、正直、そんな大谷と距離を置く人間がチーム内にもいたのは確かです」
■球界OBの前を素通り?
それは、今も変わっていない。大谷は基本的に常日頃から顔を合わせているエンゼルスの担当記者であっても、単独インタビューに応じることはない。
メディアはなんとか個別に大谷の肉声を取ろうと、お抱えのプロ野球OBを米国に送り込むものの、それが誰であっても、例えば「平成の怪物」の松坂大輔が球場にいても、足を止めて談笑に応じることは皆無。練習中に前から歩いてきた大谷に声をかけようとした2000安打達成の某OBが、目の前を素通りされてあ然としていたこともあった。
「大谷を見ていると、球界の先輩だから特別に話ができて当然、と考える方が傲慢だという気がしてくるほど。一般的なイメージと違って、『冷たい』とか『情がない』とか、実は球界ではそんな声が少なくない。実際、大谷はシビアだと思う。今季中にFA権を取得して、その去就が注目されている。一昨年、大谷は自らの去就について『勝ちたい気持ちが強い』と言って、移籍志願だと波紋を呼んだ。同時に、『ファンの人も好きですし、球団自体の雰囲気も好きです』とエンゼルスに対する愛着を口にしてましたが、自分がさらに成長できる球団があると思えば、エンゼルスへの愛着より、スパッと移籍を選ぶでしょうね。エンゼルスも、第一にアスリートとしてより高みを目指す、という大谷のマインドは理解しているはずです」(前出の元担当記者)
来季、大谷がエンゼルスファンから浴びるのは変わらぬ大歓声か、それともブーイングか。