大谷翔平は2度目のメスを入れて投手復帰できるのか…トミー・ジョン手術の権威に聞いた
打者出場のリスク
──大谷は現在も打者として出場していますが、肘に負担はないのですか? 休まなくてもいいのですか?
「バットを振った時に痛みがなければ大丈夫でしょう。さすがに大谷選手も痛みをこらえてまで、打者出場を続けるとは思えません。確かに野手でトミー・ジョン手術をする選手はいますが、古傷が原因というケースが多い。現在、DHで出場している大谷選手のように、バットを振るだけで痛めることはありません」
──それでもバットにボールが当たった時の衝撃など、負担はゼロではないと思いますが……。
「大谷選手が右打ちだったら影響はあるかもしれませんが、左打ちですからね。右肘が反りかえるような動きには通常なりにくいので、大丈夫だと思う。ただ、私が心配しているのは、バットを振り切った後です。右手一本の片手打ちをして、右腕がバットに持っていかれて後ろに大きく反った時。そうなると右肘に負担がかかり、悪化することも懸念されます」
──打者として出続けるだけでもリスクはあるのですか?
「右肘に不安がなければ何も心配することはありませんが、今のところ痛みはなさそうなスイングをしていますので、DHのみで打者に専念しているのであれば大丈夫だと思います」
(聞き手=阿川大/日刊ゲンダイ)