山本由伸めぐりドジャース編成責任者“極秘来日”の大攻勢 水面下でヤンキースと熾烈な綱引き
「最優先は先発の補強」
フリードマン編成本部長は今年3月にも、宮崎で行われたWBCの日本代表合宿を視察。初日から3日間、4人体制でチェックする熱の入れようだった。
ドジャースは今季100勝して地区優勝を果たすも、2年続けてプレーオフ初戦の地区シリーズで敗退。今年は同地区のダイヤモンドバックス相手に1勝もできなかった。今季13勝のエース・カーショー(35)は左肩を手術してFAに。11勝のウリアス(27)は通算2度目のDVで出場停止処分を受け、やはりFAになった。
ゴームズGMは獲得が有力視されるFAの大谷(29)に関して「非常にいい選手。これ以上コメントできることはない」と言う一方で、「我々にとっては先発の補強が最優先事項だ」と明言している。来季、投手として投げられない大谷より何より、欲しいのは先発投手なのだ。
■ノーノーを重鎮2人が生観戦
一方、ドジャースのロサンゼルスから東に4000キロほど離れたニューヨークの老舗名門球団も山本に対してはゾッコンだ。
ヤンキースのキャッシュマンGMとメッツなどでGMを務めたミナヤ・アドバイザー、編成部門の重鎮2人が9月9日のノーヒットノーランをZOZOマリンのネット裏最前列で生観戦した。試合後のキャッシュマンGMは「歴史的な日。チケット(の半券)は取っておくことにした。いつかサインしてもらえるといいね」と公然とラブコール。先日のGMミーティングには10人を超すフロント幹部がアリゾナに集結して、主に山本獲得を協議したという。
今季はア・リーグ東地区4位に低迷。昨年まで6年続いたプレーオフ進出を逃した。今オフは投打のテコ入れが必至といわれるが、中でも先発投手の補強はドジャース同様、最優先事項。今季2ケタ勝った先発は15勝のコール(33)ひとり。彼に続く先発2番手はノドから手が出るほど欲しい状況なのだ。
山本は米メディアのFAランキングで1位の大谷に次ぐ2位。つまり投手としての実力は18年のサイ・ヤング賞左腕のスネル(30=前パドレス)や昨年のサイ・ヤング賞投票4位で今季12勝のノラ(30=前フィリーズ)より上に評価されている。
オリックスは日本シリーズ終了直後の5日、山本のポスティングを認めると発表した。申請の手続きはどこまで進んでいるのか球団に問い合わせると、
「ポスティングシステムのプロセスにのっとって、申請の手続きを進めている最中です」
とは広報部。
つまり書類をNPBに提出する以前の段階なわけで、水面下では山本の名前がメジャー30球団に公示される前から東西の老舗名門球団による熾烈な綱引きが行われているのだ。