勝利まであと1球から17連敗…1998年「七夕の悲劇」全真相、翌日も負けて最多連敗記録18に
この日は夜になっても28度と気温が高く、湿度も80%以上もあったそうだ。実は黒木は試合の中盤から脱水症状を起こしていた。疲労とけいれんで右肘が曲がらなくなっていたというのだ。交代が告げられ、投手コーチに抱えられながら、よろよろと歩き出すと、ベンチではなく、カメラマン席に向かっていた。
意識がもうろうとしているようだった。チームは延長十二回に、3番手の近藤芳久さんがサヨナラ満塁本塁打を浴び、プロ野球ワーストの17連敗を喫した。黒木はロッカー室で号泣していた。これが「七夕の悲劇」である。
■近藤昭仁監督は、マスコミによってもみくちゃに
翌日。イチローがカットしたような打球がフラフラと逆方向のレフトスタンドに入ってしまった。嘘だろ! と驚くような当たり損ねだった。2点ビハインドの七回には捕手の福沢が竹清剛治の大きく右側にそれたフォークを必死に止めようと右手に当ててしまう。ワイルドピッチにならず、追加点は防げたものの、右手の親指を骨折してしまった。まさに泣きっ面に蜂。試合も4-6で18連敗となった。