「潜在能力は朗希に匹敵」の中日次期エース候補 投球フォーム崩壊から「マダックス達成」の秘密
圧巻の投球だった。
5日の広島戦に先発した中日の高橋宏斗(21)が4安打7奪三振の完封勝利。唯一のピンチだった五回1死三塁の場面も、堂林を146キロのスプリットで空振り三振、床田を155キロで一ゴロに打ち取った。最速156キロの速球を軸に凡打の山を築き、球数は99球。100球未満での完封勝利、「マダックス」のオマケつきである。
これで今季5勝1敗。規定投球回数には満たないものの、10試合に投げて防御率は驚異の0.64と無双状態だ。
評論家の橋本清氏がこう言う。
「尊敬する山本由伸(ドジャース)の影響を受けて、毎年のように投球フォームを試行錯誤。今春のキャンプでも、左足をすり足気味に踏み出す投法を取り入れたものの、しっくりいかず、一時は〝どうやって投げればいいかわからない〟と言うほどの状態に陥った。結局、開幕を二軍で迎え、一軍に昇格したのは4月28日。どうなることかと首脳陣を心配させたものの、戻ってきたらこの快投ですからね。回り道をしながらも、結果につなげられるのはセンスがある証拠。186センチ、86キロの身体を本当に上手に使う。投手としてのポテンシャルはロッテの佐々木朗希に匹敵します」