《中村晃の巻》プロ2年目を終えた未来の打撃職人に「ホームランを打て」とあえて注文を出したワケ
中村晃(1/1)
中村晃(34)といえば、ホークスの誇る打撃職人。練習でも一度打ち出したら納得いくまでバットを振り続ける、まるで刀鍛冶師のような男です。
その才能は、帝京高から2007年の高校生ドラフト3巡目で入団した新人時代から先輩選手も認めるほど。ルーキーイヤーの08年、社会人チームと練習試合をした時です。
この試合で中村は相手投手の投げたフォークボールを余裕をもって見送った。決して悪いボールだったわけではない。経験豊富な社会人投手が投げた、真ん中から低めに落ちるナイスボール。
それを去年まで高校生だった選手が見極めたのだから驚きです。
ホークスのベンチからは「そんなフォーク振るわけないやろ! こいつは天才やぞ!」とヤジまで飛びました(笑)。
でも、素質だけの選手ではありません。二軍では1学年上の福田秀平と一緒に誰よりも早くグラウンドに姿を現すと、ライン引きなどの雑用をこなしてから、2人で黙々とティー打撃。野球に対する意識は非常に高い選手でした。