編成責任者やGMに「頭のキレる元選手」がトレンド…フロントと現場とのコミュニケーション役にうってつけ
元選手という経歴を生かして現場の人間とのコミュニケーションを円滑に行い、チームに「ウイニングカルチャー」を植え付けてゆく。選手時代、現場で「ウイニングカルチャー」を体験しているからこそ、現場に落とし込むことができる。選手をはじめ現場の人間も彼らの言うことに耳を傾ける。要は分かりやすいのだろう。
20年、フィリーズはデーブ・ドンブロウスキーを編成本部長に任命した。するとドンブロウスキーは、レイズやカブスでプレーしたサム・フルドをGMに任命した。理由は元選手の方が現場の考えをより理解しているので選手ともより緊密にコミュニケーションを取ることができるから、というものだった。今後もこのようなトレンドは続き、頭でっかちだけでないフロントが生まれるのだろうか。ヤンキースにもジーターのようなレジェンド級の元選手がフロントに加わる必要があるのではないかと思う。もっとも、今の体制で彼らが引き受ける可能性はゼロだとは思うが……。
言うまでもなく、元選手というだけでの任命ではない。それなりの頭脳が備わっていることが大前提になる。ちなみにポージーはフロリダ州立大学、ヤングはプリンストン大学、ブレスローはエール大学、フルドはスタンフォード大学と、みな有名大学の出身である。論理的で頭でっかちなだけのフロントではなく、自身のプレー体験をもとに選手とコミュニケーションを図ることのできる人材が今後は増えてゆくのではないだろうか。 =つづく
(米紙コラムニスト=ビリー・デービス)